焦がしの天才

はたらく

あのセリフを、一度でいいから言ってみたい。

私、失敗しないので


周りを黙らせて、
仕事を奪い取るように引き受けて、
そして見事に成功する。

命を救うという圧倒的な正義と達成感。

そんな展開に憧れることがある。


けれど私の仕事は、
そういうドラマにはならない。

頭の中では何度も、
例のセリフをかっこよく決めているのに、

現実は、あっちへ根回し。
こっちでにこにこ、ぺこぺこ。


それでも通したいものがあるから、
少しずつ話をして、
少しずつ理解を求めて、
少しずつ前に進める。

あの術後のような、
スカッとした結末はなかなか訪れない。


私に必要なのは、
忍耐と持久力。

肉と辛いものが支えだ。


私が肉を焼き始めると、
子どもたちは「焦がしの天才」とからかって寄ってくる。

いやいや。

見て、美味しそうに焼けてる。

失敗してないでしょ。

この記事を書いた人
なすちゃん

はたらき、そだて、ときどきあそぶ。

休日はマイクラで絶景を探しながら、理想の暮らしをコツコツ設計中。
現実では、冷蔵庫の中身と相談しながら、その日の最適解を探しています。

辛いものが好き。
映えない料理も好き。

どんな日も、食べていれば大丈夫。
そんな実感を、静かに綴っています。

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