勤め先の採用ポスターを見かけた。
「君もヒーローになれる」
確かに、うちの職場はヒーローが好まれる。
目立って、結果を出して、評価される人。
気づけば、ヒロイン候補もヒーローになっていく。
そうならざるを得ない。
本当は、目立たなくても
日常を回し続ける人も必要なのに。
そういう役割は、なぜか当たり前に引き受けられている。
その違和感を抱えたまま、
私もヒーローであろうとしている。
今朝は、少しだけ時間があった。
コーヒーを淹れて一口。
ゆで卵のことを思い出して、慌てて味付けをする。
お弁当には間に合わない。
夜のおかずにしよう。
「ママ、ゴミ捨てといたよー」
頼んでいないのに、
玄関に出していたごみがなくなっていた。
君こそ、本当のヒーローだよ。
